●テンション Tension
コードの構成音は、トライアド+付加音+テンションです。
それ以外の音は、ノンコード・トーンといいます。
テンション・ノートは、そのコードのルート(根音)からの音程関係です。
いままでの説明の中で、9th、♭9th、♯9thなどを紹介しました。
この章では、テンションとスケールの概要を説明します。詳細な説明は、次章で説明します。
どこまでがテンションで、どこからがノンコード・トーンであるか、人によってちがいますので、その点はあまり悩む必要もありません。ここでは、一定の考え方を説明します。テンションの範囲を示します。
●テンション一覧表は、こちら
今の段階でテンションをすべて覚える必要はありません。
テンションとはどういうものか、どのように使うか、というポイントをマスターすること。
・テンション・ノートは、オクターブに関係なく同じ名前です。例:G7でEを見たら13thと理解する。
・#9thは、♭3rdで書かれることもある(異名同音)ので、要注意。
テンションはどういうものか・・・
下図(1)は、メロディーが、すべてテンション以外のコード・トーンである。
(2)は、メロディーが、すべてテンション・ノートである。
このサウンドのちがいをそれぞれ体験すること。
メロディーを作るとき、意識してテンション・ノートを使うと、センスの良いメロディーになる。
せめて上記一覧表から、9th、11th、13thを使ってみよう。
テンションを知れば、メロディーの幅がぐんと広がる。
下の譜面を見て、もしテンションをよく知らない人は、最初のB♭音は、♮のBの間違いかな・・と思ったりもするかもしれません。
テンションの一覧表が何となくわかったとして、全てのテンションがいつでも使えるわけではありません。
例えば、ドミナント・コード(一覧表ではC7)には多くのテンションが書いてありますが、これを一緒に使うわけではありません。
例えば次のような組み合わせがあります。
1.9th、13th
2.9th、#11th、13th
3.♭9th、♭13th
4.♭9th、#11th、♭13th
上記のようなグループをテンションの言葉でなく、スケールで表します。
これがいわゆるコード・スケールというものです。
例えば、上記1.および3.のスケールは、下図のようになります。
スケールには、ノンコード・トーン(✖印)も含みます。スケールの中では、アボイド・ノートといいます。メロディー作曲、編曲、演奏の中では、意識しておかなければなりません。
スケールの詳細は、次章で説明しますが、スケールにも名前があります。
1は、C Mixolydian Scale
3は、C Harmonic Minor Perfect 5th Below Scale(C HMP5↓)
1.C 7のC Mixolydianは、Fメジャー・キーのⅤ7コードの場合のスケール
3.C 7のC HMP5↓は、Fマイナー・キーのⅤ7コードの場合のスケール
人によっては、コード・ネームよりスケールの名前を頭において演奏する方がやりやすくなります。
(コード・スケールという言葉は分かりやすいですが、和製英語です。)
スケールの選択=テンションの選択です。これにより大きくメロディーが変わるわけです。
スケールの選択方法は、コード進行の分析によって決定します。